雄々しく実践でそれを清算する働きぶりなどを歴史的に見た劇を上演している。ハバロフスクへ潜行運動にベザイスが、絵を描いた貨車にのっかって行く。その中途から頼まれてのせてやった娘とそう話すのである。
我々の列車もモスクワを出て九日目。ハバロフスクの手前を走っている。
ある小さい駅を通過した時、女がにない棒の両端へ木の桶をつって、水汲みに来たのを見た。駅の横手の広っぱに井戸がある。井戸側は四角い。ふたがちゃんとついている。大きな輪があって、そこについている小さいとってで輪をまわし、繩をゆるめて水を汲みあげる仕掛になっている。シベリアの方でも田舎の井戸はこんな形だった。
日本でも女が水汲みをする。ロシアでも女がやっている。そして、この担い棒をかついだ女村民の部落には村ソヴェトの赤い旗が雪の下からひるがえっている。
景色が退屈だから、家に坐ってるような心持でいちんち集団農場『|集団農場・暁《コルホーズ・ザリヤー》』を読んだ。
一九二八―二九年、ソヴェト生産拡張五ヵ年計画が着手されてから、社会主義社会建設に向って躍進しはじめたのは、直接生産に従事している労働者ばかりではない。画家も、作家
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