の思って居る事感じて居る事が鏡にうつすよりもはっきり種々《イロイロ》な色や光りをもってうつって居た。身動きもしないでピクピク動く眉や笑いそこねた様な唇を見て居た、すまない事だけれ共千世子の心の中にはかるいくすぐったい様な気持と又、自分をこれほど案じて居て呉れるのを知った感謝の心等がまぜこぜになってわき上って居た。
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「阿母さん安心してらっしゃい大丈夫ですよ、そんな事は!」
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 千世子は笑いながら云った。
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「アアまあとにかく着物御きかえよ炬燵にかけて置く様に云ったからしてあるだろう?」
「エエ、じゃきかえましょう。もう今日はどっからも電話なんかかけてよこさないでしょうネ、来たってことわるんだからかまわないけど……」
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 千世子が独りごと云う間に母親はせっせと裏衿をつけて居た。フックリとあったかい着物を着て部屋にとじこもってかって来た本を赤い線を引き引き読んで行った。
 夕方飯田町の叔母のところから電話で、今夜病院の人達をよぶから手伝うつもりで来てくれと云ってよこした。気のすすまない千世子に無理や
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