思ってあげろのと書いてある、ほんのちょっぴり安心して又始めっからくりかえす、それですっかり安心して巻きながら「あれが知ったら何か云うだろうが……何云ったってかまわないサ、親の権利で監督のために見たんだと云えばすむ事だ」と思う。
三枚ほど紙のまくれたのを知らないでそこにはさんでもとのところに置いて一寸指で表紙を叩いてそそくさと出て箪笥の前に座って「もうじきにかえるだろうが……」と思って時計を見る。
こんな事がはっきりと目の前にうかんだ。
手袋のフックをはずしながら、
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「阿母さん只今、私居ない間に何か変った事がありましたか?」
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母親の前にぴったり座って千世子は人の悪い笑い様をした。
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「寒かったろうネ、変った事って何もないにきまってるじゃないか? 一寸の間だもの――」
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母さんは一寸ゆるめた口元をたてなおして、
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「知ってるナ」
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と思った。
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「あのネエ阿母さんフフフ」
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千世子の心には母親
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