人ですもの、それで又手紙とか電話とかにやたらにおそれて居る人なんですもの……」
「とにかくだれが見てもあなたとあべこべな感情だと云う事はたしかですネ。貴方が好いとも阿母さんが悪いとも云えないサ、そう云う性分なんだから……」
「感情のぶつかりなんて母親と娘の間にあんまりない筈のものなんですけれ共ネ、私がつい気ままなんで時にはじまる事さえあるんですものネエ」
「でもマア、一つのつとめとして貴方は阿母さんにおとなしくして居なくっちゃあいけませんよ……女としちゃあかなりの学問もあり常識も発達して居なさるんだから」
「エエそれは知ってますけれ共……人の前で自分の感情に仮面をかぶせてちぢこまって居る事は出来ないんですもの人のために生れた感情じゃないんですもの私のものですもん」
「何にも感情を押しつつんでどうのこうのって云うんじゃあないんですけれ共、子供の一挙一動によろこんだり悲しんだりして居る親を安心させるためにしなくっちゃあならない事と思ってたらいいじゃありませんか……」
「私自分にもそう思ってつとめる事があります。でもフイとした感情につつかれて『マア阿母さんの耳たぶがきれいだ、そりゃあよくすき
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