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「ねえHさん、主人《うち》でそう云ってましたけどいそがしくもなるし、夜更けて行ったり来たりするのもなんだからどうせ一ヵ月か二ヵ月の事だからとまったっきりでいらっしゃる方がいいって云ってましたっけが、私もそれが好いって云ったんですよ。――それでいいでしょう?」
「そうですか、でも御世話さんでしょう、私まで……」
「そんな事があるもんですか、ネ? そうなさいもうそうきめてしまいますよ」
「そんならそうしていただきましょう、御気の毒ですけれ共……」
「エエ、エエ、かまいませんとも」
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千世子の知らない内に父親がそんな事を云って居たと見えてその日っからHはとまりっきりになる事になった。
千世子は何となくくすぐったい様な気持がしながらその話をきいて居た。
(三)[#「(三)」は縦中横]
次の日も次の日もHと千世子はその日と同じ様な事をして暮した。議論で一日つぶしよみつぶしかきつぶしたりして十二月一ぱいをくらしてしまった。
暮に近くなっての日Hは千世子にこんな事を云った。
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「ネエ独りものは可哀そう
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