ばわれそうになっても征服しなくっちゃあ気のすまない方、生をつよく愛する方、それで居てかなり悲しみやすい方、違いましたら――」
「そう見えますか、それで貴方は私をすき? それともきらい?」
「私はすきな人でも時によると、――その時の気持によって見向もしたくないほどになる事がありますもんはっきりは云えませんけど――好きはすきですわ」
「すき?」
「エエたしかに――だけどあんまりすきかすきかなんておっしゃるときらいになっちゃうかもしれない――」
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 千世子はこんな事を云って笑った。
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「どうしてそんな事おききになる?」
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 まだ笑の残って居る口元で云った。
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「何故ってことはないけど只きいただけ」
「そう……」
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 薪は前にもまして益々盛に燃え始めた。Hのかおも千世子のかおも赤くはえて、世の中の事にまださわらない目と手と顔なんかはひるま――ごみっぽい昼間よりはよっぽどきれいに白く二人ともに見えて居た。
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「手が少しつめとうござんすねえ」
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