Hさんに良い女《ヒト》を世話して御あげなさいよ、そいでなくっちゃあ」
「そう思ってこないだも云って見たんだけれ共いやだと云ってききゃあしないんだもの、思ってる人でもあるんだよきっと……」
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千世子はそれをきいてしかめっつらをして首をふった。
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「ねえ、御前信夫さんねえ、あの人のところから又先みたいな手紙をよこしたんだよ。どうしたんだろうねえ、あんまりあとさきを考えない仕様だねえ……」
「そんな手紙を書く時にあとさきを考えるんなら始めっからそんな事も思わないんだろうけれ共――ほんとうに私はいやになっちゃう、尼寺へでも行っちまいましょうか」
「そうするといいよほんとうに……」
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母親は笑ってとり合わなかった。
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「信夫さんなんかってあんな世間知らずなくせに――あんな手紙書く事ばかり知ってる――」
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千世子は自分が行くたんびにふるえる様な目つきをしてつっかかった様に、
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「千世ちゃん」
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と呼んで見たり赤くなったりするのが思い
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