くなり、Hを可愛そうだと思う心も育って行った。
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「私は不幸な事が起ると知って居ながらやっぱりその方に向いて居るのかしらん、私は運命の神のおもちゃにならなくっちゃあならないのかしらん。
でもかまわない出来るだけ戦ってまけたらその時の事だ。
何! 私なんかHを恋して居るもんか。
それが一番いいんだ!」
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口惜しそうな顔をしてこんな事も思った。千世子はHのあらを出来るだけすくいあげて考えた。
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「彼の人はあんな癖をもって居る。
心に余裕のない人だ。
文学とか美術とか云う事に私ほどの興味をもって居ない人だ」
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と思うすぐそのあとから、
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「それと云うのも若い内の悲しかった事、辛かった事がそう云う人にしてしまったんだ」
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そう思った時にはもう同情に変って居た。
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「ねえ、私達は仲のいい御友達で居るのが一番いいんですワネエ」
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Hに会った時にそう云った事もあった。
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「母さん、
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