は、一番Hをすきがって居るそいで一番私のすきな事を沢山具えて居る人だ!」
「Hさんはああやって毎日毎日悲しそうな目つきをしてこれからあともひとりぼっちで暮すんかしら……」
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こんな事をフイと思ったりした。
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「私はHを恋してるんだろうか、若しそうだったら?」
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こうも思った。
そうして千世子はHの来るたんびに千世子自身の心をうたがい始めた。
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「ネエ、母さん、母さんはHさんをどう思ってらっしゃる?」
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母親の沢山人を見た眼にうつるHはどうかと千世子はきいても、
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「酒も煙草ものまず気のねれた人だし苦労もしたし少しとりすました人だけれども人としてはいい人だねえ」
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と云った。
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「体が弱いのが可哀そうだねえ、どうしてあんなだろう、苦労ばっかりしたり、悲しい思いばっかりして居るうちに死んででもしまいそうな人だよほんとうに――」
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こんな事ばかり云うので千世子の疑いはますます深
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