い様にと思って居る事まで思ったのを恐れる様に耳をふさいで夜着の中にもぐりこんだ。
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「何! 不安心な事があるもんか自分さえしっかりして居ればチャンチャンと事はすんで行くにきまって居る、それに又若し二人が夢中になってしまったら私の望んで居る恋のどっちかが満足する様に出来上ったらそれでいいんだ。けれ共なまはんかな様子は必[#「必」に「(ママ)」の注記]してしてはいけない、私はどんな時にもそう思って居ればいいんだ。そうすりゃあ生きて居る中に恋なんかは大抵は出来そうもないけれどそれも又いい」
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 考えまいと思って居ながらそんな事を考えて居た。
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「アアア」
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 うす笑をして千世子はそのまんま寝入ってしまった。Hと二人で目に見えないものに深い深い谷に落とされた夢にうなされて起きた時夜があけはなれて居た。自分の先の事、又あってはならない先の事を見せつけられた様ないやな気持がして、ゆっくりとうねって居る海面と白い帆の思いなげにふくれて居るのを見て居た。
 その次の日もその次の日も千世子にはものうい心が二つに分
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