ゃあありませんか、理性の人だって云ってらっしゃるのに迷っていらっしゃる?」
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母親はだまったまんま何となく落つきのない目をしてあっちこっちをながめて居た。
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「アア、そんならもう面倒くさいから出すのはやめましょう」
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云うとすぐ長い手紙をかきあつめて片っぱしから裂き始めた。
厚いまっしろい紙のこまっかくなって行く音はシュッシュッと云う悲しそうなものであった。
「何でもかまうもんか」と思いきった様な目つきをして居ながらうすらさむい様な気持になって居た。
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「何にも反古にして惜しいほどの文でもなければそれほどの字でも又やる人でもありゃあしない」
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わざとらしい様に千世子は低いこえでこんな事を云った。母親はだまってする事を見て居たが、
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「そうさ、そん[#「ん」に「(ママ)」の注記]がいいんだよ、そんな事ってのは誤解しやすいもんだから……」
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間に合わせの様にこんな事を云ってこまっかいかたまりになった手紙を見て居た。まるめ
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