つぶった。
 それから十日ほど立って寝はじめてからざっと二十日足らずで起きて歩いてもフラフラしない様になった。頬のあたりはかなりやせてふだんより涙もろくなって居た。
 母や父はもう四五日したら小田原に行ったらいいだろうと云って居ながら、
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「お前がもっと二十でも越してでもいれば幾分かは安心だけれ共今の年の女を一人で出すことも出来ないしネエ」
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 こんな事を云ってのばして居るうちHや父にすすめられて小さい弟をつれて女中一人と母親も行く事にきまった。きまった日っから母は急にそわそわし出して弟の着物をそろえたり、自分の羽織をぬったりして毎日毎日供について行く女中と一緒にあくせくあくせくして居た。
 皆の働く中でポッツンと千世子はもって行く本や原稿紙なんかをひねくりひねくりして居るばっかりで何をどうしていいんだか分らない様な気持で居た。
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「まだすっかりなおって居ないんだネエ、どうしていいかわからない様になるなんて――」
「何をしていいか分りゃあしない」と云ってかんしゃくを起すのを見て母親は斯う云った。
「どうだね、この分じゃ
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