なった自分が元の完全な頭だった時苦労して書いたもの、あつめたものを笑いながらやぶいて居る様子だの、夜着の衿をかみかみうめきながら死んで行く自分の心持を想像してどうしてもそれからのがれられないきまった時の様にボロボロ涙をこぼした。
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「どうしたんだい?」
「どうしたの?」
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 二人はしずかに柔かくきいた。
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「イイエねエ、私このまんま死んだり馬鹿になったりしちゃったらほんとうに可哀そうだと思ってネエ」
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 千世子は泣きじゃくって居た。母親はとりあわない様にわきを向いて袂の先を見て居た。
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「そんな心配をするのは御やめなさい、私の心ででもなおしてあげるから、朝の御祈りの時をのばして貴方のために祈って居るんですよ私は――、こんな若い人をだれがだまって死なせるもんですか」
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 Hはいかにも心からの様に真のある声で云って千世子の額に落ちかかった髪をあげてやった。千世子はすかされる小供の様にだまってそれをきいて居たがおわるとかるく合点をして眠入る様にソーッと目を
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