ての人は教育をうけることが出来るという憲法の言葉は、決してまだ実現されておりません。それは実現されなければならないことを、実現させる方法を見出すべきであることを知らないのです。そういう風に文字の上の進歩を、現実社会の進歩として実現すべきであることを知って、実現して行くように努力することが、人間の良心に立つ行動であることを理解すること。これが一つの人間革命であり、人間発展としての民主主義確立の意味であるとおもいます。
同時に、人間の生活は、ある期間は食べるばっかり食べ、次のある期間には絶対食べることはしないで、別のことをするなんて、変なことが出来るものでありません。よく働いて、よく休んで、人間らしい文化の生活も営み、教育もうけるというのが人間の生活であり、勤労者人民はそれをどんなに希望しているかは、世界最初のメーデーのスローガンにもあらわれました。二十四時間を、八時間働いて、八時間休養して、八時間教育をうけるということは、アメリカの労働者が世界第一回のメーデーで要求したことです。私どもの文化活動とか、社会的な働きをしている者の人間発達は、綜合的にされるべきものです。すべての今日の現実、
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