いざモラトリアムが公布されるという前日、殆どすべての銀行で、政府要路の人物、財閥たちは、手持ちの厖大な金額を、封鎖洩れとされていた五円紙幣に代えた。モラトリアムが公布されたとき一般の市民は忽ち小額紙幣饑饉で大困難をした。モラトリアム第一日に、各新聞の投書欄は、政治的醜聞として、その公表前に、一部の人々によって小額紙幣が独占された事実を指摘したのであった。これが、事実であった証拠に、政府は、周章して、五円札も封鎖されることを公表したのである。
 それぞれの新聞が、モラトリアム家計の設計をのせた。同じように次の式をのせた。
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手持現金旧券+(新円100円×家族人数)+500円以内の給料+300円+(100×X)
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 旧券は、それがどれほどどっさり在ろうとも貯金して、(封鎖されて)手持現金としては、家庭の人数当に一人百円ずつ新円にかえられる。それに、主人が五百円までの月給をとって来て、不足のときはその主人(世帯主)が、三百円までの貯金をひき出せる。それに、家庭の頭かずだけ一人宛百円ずつ引き出せる
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