私たちの建設
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)軛《くびき》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)藁※[#「禾へん+皆」、第4水準2−82−94]《わらしべ》
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封建の世界
言葉に云いつくされないほどの犠牲を通して、日本に初めて、人民が自分の幸福の建設のために、自分達で判断し行動することの出来る時代が到達した。そして全人民の半数を占める日本の婦人も、過去の重い軛《くびき》から解放されて、明るい希望のある社会建設のために、これまでかくされていた自分たちの力を発揮することの出来る時代になって来た。それにつけても、今日私達が残念に思うことは、わたしたちが勇気をもって明日へ歩み出すために是非必要な日本の社会の歴史及びその歴史の中で、女性が負うていた役割について、事実を語っている歴史がほとんどないことである。これまでの歴史がどんなに歪められ、真実を蔽われていたかということは周知のとおりである。日本の社会を自分達の勤労によって育
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