りする役もするようになる。
小学校では――
一つ机に男の子と女の子とが並んで勉強する。
われわれの小学校は大体背丈の順で並んだが、ソヴェト同盟の小学校では、一つ机を二人でつかう時には、学期のはじめ教師が自由に一緒に坐る対手をきめさせる。
「ミーシャ、また一緒に坐ろうね」
「ウン」
だが、教師オリガは、先学期もミーシャとダーシャが並んでいたのを知っている。そこで
「ダーシャ、こんどは暫くグレゴリーと並んで見ないかい? ミーシャと並びたがってたナターシャと代っちゃどうだい?」
ダーシャは一寸ふくれて、ジロリとミーシャの方を眺めるが、ミーシャはぼんやり鼻の穴をふくらがして鉛筆を削っている。そこで、ダーシャは渋々ながら
「じゃそうします」
馴れて見ればグレゴリーだってミーシャよりいやだっていうこともないのがダーシャにわかる。数日たって教師が
「ダーシャ、座の心地はどう?」
ときくと、ダーシャはませた表情で
「|何ともありません《ニーチェヴォ》」
「そりゃよかったね!」
然し、こんなこともある。
几帳面で、級の衛生委員をやっているアリョーシャが、いつまでも机の
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