ブ室などは勿論共通だ。
 学校ばかりか、すべての勤労者が、年に一ヵ月ずつ有給休暇をとって休みに行く「休みの家」でも、こういう工合にやられている。
 夫婦は一室を貰い、学生でも夫婦ものは、事情の許すかぎり特別な一室を給与されるのだ。
 ソヴェト同盟が、勝れた階級の技術家を男から、女から必要とする必要は実につよい。従って、学生も専門技術学校、大学になるとあらゆる年齢を包括している。
 三十の夫が法律学生で、妻は二十六歳、薬学専門だというような例はザラなのだ。
 若い男と女とが一つ寄宿舎の建物に寝起きするのだから、勿論時にはいろいろの問題がおこることもある。
 そういうとき、場合によっては寄宿舎の大衆討論の決議で、事件は決定される。また、幼年時代から学校で、職場で共に働いている今のソヴェト同盟の若い連中は、男女の評価の標準をどこにおくかということを真実にハッキリ自得しはじめている。
 レーニンは、性関係の一時混乱した一九一八年時代に、正しい批判と予言とをそのことについて与えた。
「われわれの社会主義的建設の実践とその発展だけが、われわれの性道徳をも正しいものとするだろう。」
 一九二七年に高
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