は処分し、のこしておきたいものは、のこすでしょう。
 そのさわぎで、家じゅう一《ヒト》ところも常態でいるところはなくなってしまいました。食堂の大テーブルは、陶器陳列用につかわれて、小さいテーブルで食事だけはしているし。台所が一番いつも通りなので、わたしは食事係をひきうけている関係から、台所で働きつつ小説をよむという暮しでした。小説はよめても、書けないわ、職人の出入りするところでは、ね。
 きょうになったらもう辛棒しきれなくなって、二階に大車輪で自分のものを書くところこしらえた次第です。目白の頃のようにね、八畳の室の入った左手に机、その奥にベッド、つき当りに小さい本棚。ここへ来れば、わたし達の雰囲気があるようにしました。そして、やっとさっき顔を洗い、足を洗い、着物をかえて、書きはじめました。こうやってこの机使うのは、十六年の十二月八日の晩以来のことです。その時分は、次の室のずっと広い方に机おいて居りました。でも可笑しいものね。余り家じゅうどこへ行っても大ガタガタだと、ひろい室はいやになってしまうのね、ここへ、ベッドとくっついて置かれてあるの、なかなかわるくありません。わたしは妙ね、こうい
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