る確信があり、スクリューはともかく廻って、潮にしっかりと乗っている一艘の船のように自分を感じるということは、少くとも大した仕合わせではないでしょうか。わたしはこういう感じこそを窮極の幸福としてうけとります、そして自分に願うのよ、舳よ舳よ、しっかり波を突切れ、濤にくだかれるな、もちこたえてのりこえよ、と。何故なら舳のところから親綱がひかれていて、先に親船が進行して居ります。切れることのないそれはひきつなです。舳がつなをもっていられる限り。舳もはっきり知って居ます。自分というものが存る限り、このつなは切れないと。
 親船は、自身のひき船の能力をよく知っているようです。劬《いたわ》り、しかし甘やかさず、水先案内に導かれて、沖ではラシン盤によって波濤重畳の大洋を雄々しく進行し、適当な時期には、ひき船をひき上げ自身の船体に搭載して、更に進行をつづけます。ひき船のうれしい気持は察するにあまりあり、ではないでしょうか。精一杯ひかれて進行してさえゆけば、沈没するほどのときには、大きいひろい船体にたぐりあげられて、安心してその舷側に吊られるというのは、どんなに仕合わせでしょう。親船もきっと可笑しく可愛い
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