かかせる気もちには一寸した基礎があります。
火曜日の帰りにあなたのセルをとる必要があり、中野の方へゆきました。それから、自分の荷もつのことでもう一ヵ所、友達のところを訪ねました。どこでも、わたしは珍客でたのしくすごしたのですが、帰って来てひとりになって考えていると、何と云っていいかしら、自分が一艘の船であって、波の立つ水の中を、気もちよくずっぷり船足を沈めて通って来たというような感じになりました。通って来た、というより通りつつある毎日という感じを深めました。これはどういうことでしょう、思うに、周囲は非常にざわめき揺れ漂っているのね、生活感情において。歴史はジグザグして幅ひろい線で進行して居るわけでしょうが、箇々の人々の生活というものは、その進行とともにその方向へ適確な動きをしているのではなくて、波間に浮く樽のように、自からの大局からはその方へ動きつつ自覚としては旋回的なのではないでしょうか。動きに対して受動で。どっちを向いても何し[#「何し」に「ママ」の注記]ら流れ漂っている感じです。そういう中に、積荷がしっかり荷綱によってくくられていて、かなりひどく揺れながら船体の安定は保たれてい
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