りかで、借金しないで暮が過せて私はいい心持なの。これもまあいい心持の一つ。
何だかひどくうれしづくめの手紙のようで滑稽だけれど、それでも、その範囲では御同感でしょう。元より一番のうれしいことは、勉強のこととあのことと、仕事のことよ。
この勉学の収穫としてのいい心持というのは、夏から後の結果に対してばかりでなく、よく考えてみると、この三四年来のいろいろの心持の起伏の集積に対して効果を与えているのであると思います。あなたが、あきもせず、くりかえしくりかえし仰云っていることは、やがてはこのようにしてしんからわかる結果で結実するのね。そのことも大変面白いわ。そして、自分の程度がもっと高まるにつれて、くりかえしの必要のへってゆくことも面白いと思います。
この手紙、まるで郵便船でも出るように、いそいで終って速達にいたします、二十八日に間に合わないといけないから。いろいろのことがあったけれども、総体としてはわるい年ではなかったわけでした。
でも、クリスマスなんかは外の飾りからすっかり消えて、銀モールその他なんかどこにも売って居りません。お正月のお餅は切符でこしらえます。おとそにするみりんが買
前へ
次へ
全590ページ中570ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング