えたので、マア珍しいと笑いました。みりんなんて殆ど一年ぶりですから。
 二十八日迄のはこれでおしまいですが、本当のおしまいまでにきっと、まだもう一通は書くでしょうと思います。
 寒さお大切にね、はらまききょうもって行きます。あの羽織紐いい色でしょう? では一先ずこれで。

 十二月二十七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 十二月二十六日夜  第八十七信
 手紙まだ書き足りず。今夜もかきます。
 夜は机の木の肌もすっかりつめたくて、手もかじかむので、やっぱり火鉢がいりますね。今夜は二度目の火鉢よ。御倹約でしょう?「紙の小旗」をかくさわぎのとき入れたぎり。従って、大した夜更しもないこと実証也のわけね。
 きのうの手紙はいそいで、好ちゃんのことやなんかちっともお話ししず。それやこれやで結局書き足りない感じで、こうやって又紙に吸いよせられたのでしょうと思います。
 きょうは、あれから十一時すぎ十二時十分前位まで宅下げ待って、それから富士見町へまわりました。九段下へバスが池袋から出ているのよ、東京駅行。そこから九段の坂をのぼって行ったら、パラパラ降って来ました。いそいで富士見町の方
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