獄中への手紙
一九四〇年(昭和十五年)
宮本百合子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)咽《むせ》び泣いて
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)十二|社《そう》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#二の字点、1−2−22]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)から/\と
〓:欠字 底本で不明の文字
(例)その後の〓〓生活の
−−
一月二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
一月二日 第一信
さて、あけましておめでとう。除夜の橿原神宮の太鼓というのをおききになりましたか? 私たち(この内容は後出)は銀座からすきや橋に向って来た左角にある寿司栄の中でききました。
おだやかに暖い暮でしたが、正月になったら、きのうは風、きょうは又大層寒いこと。私は羽織を二枚着て居る有様です。
ずっとお元気? かぜは? 私のズコズコも悪化しない代り少々万年で。でも、実に吉報があります。それはね、島
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