さとがとけあって一つにもてるということにある条件、沁々と感じました。
 私のうれしがりかたすこし強すぎるとお思いになるかと思いますが、それは安心なすっていいのよ。わかったということも理解である場合と発見という場合とがあってね、理解が発見的境地をもたらす場合、その者にとって、他人が知っているとは全然別様に作用する発見であり得るということはあり得るのですもの。
 もうすこし仕事片づけたらこの本をもう一度よんでね、つづいて第十章のところのこまかくかいたものをよんで、そして初め間違えてよみはじめたものをよむつもりです、面白い。レバーをのむときのようよ。ああこれだけのむと、あしたもてる、そんな慾ばった感じで血の殖える感じ。
 私は痛切に感じます。私は作家として小手先の面白さでまとまるようなものに生れついていないで、その全部の育つためには自身なかなか骨を折って、ぶつかって全重量を傾けるに足る素材のいる時期に入って来ていて、しかも素材を日常の中からつかむ(そんなに大きく)には、それだけの大きい勉強がいるという、そういう作家なのね。
 あの文庫よんでいて、一つの云うのがおしいほどいいテーマを感じました
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