うになりましょうというのと同然であるということ、その評論的質のこと、何と微妙でしょう。芸術至上主義論に対して本能的疑問は「人間に還れ」より一層自然に、私にはあったわけでしたから。
でもうれしいわ。本当にうれしいわ。私の爽快さは、名処法[#「法」に「ママ」の注記]と相俟って、本格のものになった様子です。益※[#二の字点、1−2−22]地味に、ジャーナリスティックな埃に穢されぬ本質で勉強するよろこびを理解します。
きょうの雨のようなものね。雨のいる条件はすべて備っていたところ、というわけでしたから。
きょうはね、午前仕事して、午後からあなたの羽織の紐を買いに出て、夕方かえって、深い深いよろこばしい思いで殆どしんみりして、茶の間でひとりで、買って来たいい色の羽織の紐を結んだりといたりして眺めながら、考えて居りました。よく似合うわ、奇麗だことね、そう思いながら、頭のしんでは極めて遠大雄大な文学の展望を描きながら。あーあ楽しい、と思ったの。こんないい色の羽織の紐、こっち側から一寸はなれて見ていいわ、という景色のないのは残念と思いながら、こんなこまかな女房のよろこびとこんな大きい芸術のうれし
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