いに心しなければなりません。洋服のひとは御免下さい、とオーバーきるのよ、でも私はそう云ってコートを着るわけにも行かないのですもの。
きのうは愉快そうにしていらして、私は二重にうれしく、火鉢なしでも、もてたところあり。
実にこの暮はいい暮れになりました、本当にいいおくりものいただいて。
文庫本ね、適当なときに、適切なもので、ずっと「文学史」について云われていた諸点、自分でもいろいろと考えていた諸点はっきりして、確信がついて、何とうれしい気持でしょう。「人間に還れ」という文学上の表現が或種の作家にとってはデカダンスからの救いである(これはしかし広汎ね、生産文学から農民文学から知性の文学から生活派文学に亙るのですから。)が、或る作家にとっては逆転になるということの意味が、鮮明に見えます。一本の道の上を一つの曲り角からこっち迄そのまま辿って来るのではなくて、ぐるりとのダイナミックないきさつで質の変ったものとなるのだという、その機微は、何と文芸評論にとって、大切な精髄的なものでしょう。芸術至上主義をも否定出来ないというとき、それはありのままに云えば、やっぱりいつか又自由なあきないが出来るよ
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