てきっとそうおっしゃるでしょう? 子供がすこし成長してくれば、フラフラのお父さんなんかはよくありませんし。どうするか、多分きめるのでしょう。赤ちゃんの世話にかまけすぎて一日というのも人生として勿体ないもの。
『日本評論』へ『現代文学論』の書評をかねて文学感想をかきました。すこし面白いと思います。青野季吉が作家の凝視ということをかいている、二月『中公』。「文芸時評」。作品と作家とが離縁している。手芸的作品が多い。小説の本質的危険はここにあると思うと、現実を凝視せよ、と云っているのです。しかし只現象をおった凝視だけで、作品は作者との関係で血肉的なものになるのではない。そこにはテーマとモチーフとのいきさつがあり、作品、作家、作品をうむ現実、作品への作家のつながり工合が問題となるのでしょう。そのことを中心にして、書評しました。
線が細い。わかりにくい。いろいろ云う人もあります。線の細さはきわめて人間と結びついたものがあって、二月『文芸』に、批評家としての生い立ちをかいているなかに、論理の発展、論理が自分より上位にいるようなてれくささへ、特に文芸批評にあるてれくささというようなものをかいている
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