。それにふれて、そういうてれくささで著者が書こうとするものの中を、一気に謂わば息をころして歩きぬけているようなところから来ているというようなことも書いたりして。増刷したそうです。
それからきのうは「三つの女大学」をかきました。益軒のと福沢諭吉のと菊池寛のと。諭吉が語っているところは力にみちて居ります。それが寛に到ると、実に低下している。そこに語られる女の生活の歴史のありよう。『文芸』の仕事に必要な勉強からいろいろこんな副産物が出ます。
これから又『文芸』の仕事の下拵えです。これはやってよかった仕事でしたね。もう二百枚越しているわけです。あともう三四回。それに文学は翻訳文学だった時代、「小説神髄」以前の女の活動について加えなければなりません。S子さんが年表をつくっています。こんな表をつけようと思います。
『哲学年表』の通りの形式二頁見開きにして、左に社会、婦人、次文化、文学、婦人作家と横並べにして。社会、婦人には女学校令が出た、女の剪髪禁止とか、戦争その他。文化文学は一般。ラジウムの発見、トルストイの作品、日本の透谷、そんなものを入れ、右手に寥々と婦人作家が出現して来るというわけです
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