のにあらわれている精神史の意味で大変感銘されます。あれは二回つづけたきりですね。「古風な反逆者」[自注10]という作品からも作者の人生の現実に対する態度がよくわかります。第一巻の「狂人たち」[自注11]はあの象徴がちょっとよくつかめません。ただあの中に科白として云われている女についての感想は、その作者の年齢や何かとてらし合わせてうなずけますけれど。「陽」[自注12]という筆者への展開も面白いことね。少年の陽、自動車を見てはやさ、つよさに胸をとどろかす幼い陽から、ああいう青年の陽への成長を、私は作家として刺戟を感じます。書きたいと思います。これは本当に思っているの。
「たのしみながら、だが眼玉はぎろりとして」という様子、実にまざまざ。ブックレビューのこと。若い心であるからこそ、という点。それは真実だと思います。そして、云ってみれば、そう思うからこそ、割にあわない努力をもつくして書いてゆこうとしているわけですから、一層ここに云われている点は重要ね。
自然科学についてのこと、お笑いになったのねえ。一笑したとかかれている、その表情が見え、おかしく、きまりわるい。〔中略〕
『白堊紀』のものをよ
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