んでつよく感じたことは、その条件としての完成の努力の力いっぱいさの点、そのように力いっぱいだから、再び一つのところへは戻れず前進するというその力を痛感して、実にその人らしいと思ったわけでした。この作者は自身の生涯をそのように高く、条件の最高に完成させようとする気魄に満ちていて、独自の美だと思います。
こういう完成への努力が、とりも直さず常に前の自分からの成長として、ダイナミックなものとして、現れるということも面白いわね。何故ならば完成を愛す知識人は夥しいが、その場合の完成というものは飽和点としてあらわれ、つづくものは停滞ですから。そういう形で、キレイごとのすきな人々は、完成をねらって、我とわが身を金しばりにするのね。一定のその条件で一度は在り得るが、二度とはないモメントとしての完成ということを思うと、実に実に面白いことね、芸術の面で。つまり文学における典型とは其ね。何だかパーっと今会得されたところがあります。文学における典型を、人はどうして今までこの動的な完成の瞬間においてのこととして、とらえなかったでしょう。作品のうまれてゆく刻々の経過の内面から云えば、つまりはそのこと以外にないの
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