ろいろな日常の動き。ひとへの心くばり。それについてふと消えたかと思うと、又きこえるこの顫音。私はそれにきき入って、それを愛して、そして、一つの顔にじっと目をおいているの。それは何と近々としているでしょう。私の指先が何とまざまざ感じるでしょう。
―― [#図1、花マルのようなマーク] ――
さて、私は一張のヴァイオリンのひき手のように、ここで絃の調子を変えようとします。幾分の努力で。
―― [#図2、花マルのようなマーク] ――
余り空気が乾燥しすぎているのが有害なのだそうですね、特に。お体の様子あらましわかって居ります。どうぞ呉々もお大事に。いろんな場合決して決して無理なさらないように。そのことからおこって来る結果について私の不平はありようないのですから。しかし私は心からいろいろが体にふさわしいようになることを願っています。これは全く心から願っていることです。私に出来ること、とあれこれ考えます。けれども、どうも見当がつきません。
[#図3、草の絵]
私がいそがしいので、多賀ちゃんもこのごろはいいおかみさんです。きのうなどね、こんなことがあ
前へ
次へ
全590ページ中45ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング