していた部分が今日はっきり見えます。いろいろな過程をとおってそんなに一生懸命倒れしていたことも今は活かされてはいるけれど。これまでの何年間かのものが、やや結実しかかっているとは思えます、文学的に。一生懸命倒れの時期は、どうして自分の作家としての弱点がああ自分でつかめないのでしょうね、全くそれは不シギね。一生懸命さばっかり自分に感じていて。この頃はすこし高められた形として、自分の作家としての弱点も(一生ケンメイ倒れの意味で)わかりますから、それは今年になってからの収穫だと思います。『文芸』の仕事はそのモメントとなっているのよ。何でも、ですから徹底的に勉強すべきものね。
 あの一昨年の「流行雑誌」にことわったこと。今もあれでよかったと思います。「歌のわかれ」はあれに出た作品です。これからも又きっとそういうときがおこりましょうね。極めて現実性があると思っていていいでしょう。積極的な文学上の努力であるということが、外見の消極を保たざるを得ないことは、いろんな歴史の波の間に屡※[#二の字点、1−2−22]《しばしば》生じましょうね。でも一昨年のことから私はいくらか学んだところがあって、無駄ではな
前へ 次へ
全590ページ中431ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング