来て暮しますという、そういうところへ主人公が行きます。バックの作品からこの頃感じるのですが、バック自身非常に自然力をつよく内包しているひとですね。ヴァイタル・フォースのきつい、それに導かれてうごくそういうひとね。そこに「母の肖像」のような美、「大地」のような力が湧くのですね。同じものが「愛国者」のようなものになると、所謂インテレクチュアルなものの限界があらわれて来て、本源的に「大地」へくっついてしまうのです。作者一人は何と複雑でしょう。
私は一人の作家として自分のヴァイタル・フォースのあれこれのからくりを、どの程度見きわめているでしょうか。
でもね、面白いでしょう? あなたはきっと微笑なさるわ。そういう点と、この手紙のはじめの方にかかれていることとは、どっかで大変結びついているのよ。丁度あなたの文芸評論と、今ここで私の前にひろげられている手紙とが、どこかで全くむすびついていると同様に。
そうよ、文学の神通力というものは在ります。文学そのものは、そういう力をもって居ります。
この頃は、いろいろもとから在った団体が解けて一つの別のまとまったものになるのがはやりで、雑誌協会その他が一
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