3、1−13−3] 九月七日。バックの「愛国者」の住居は長崎です。いつも海と船とが家から見はらせるところに暮している。段々よむと、主人公の心持の転換のモメントが何だかあいまいです。誇張なしにかかれているが、やはりあいまいです。もとよりそういう階級(富商)の若いものとしてはそうかもしれないが。午後から序文をもって実業之日本へゆきますが、途中でボオーボオーに出会うと電車をおりて軒下に入らなければなりません。門の前にバケツ、タライ、砂、むしろが置かれています。
九月十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
九月十二日 第六十二信
十日づけのお手紙、その前の分、ありがとう。
前にかかれている生活のことについての話は、私もそう理解してよみました。現実に私は、あなたのおっしゃるとおりの心持で話していたのですから。そして、本筋のこととして、あれは本当だということもほんとうね。
このお手紙(けさついた方)やっぱり、私もくりかえしくりかえしよみます。私のかいた点が意外ではないということはうれしい、うれしいと思います。僕も昔から考えているのだから――昔から考えているのだから――昔と
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