ました。昨夜は早くねて、きょうは大丈夫。しかし、余り暑いと頭の中が真白くなってボーとすることね。
野原から冨美子は来ますまい。きょう、お話しする家の事情で。
家をかりて勉強するというのも、第一家不足ですから適当なところないし、一室かりても女は、やっぱりキュークツなところもあってね。それに私はテーブル、椅子もちこむのも面倒で。フーフー云い乍ら結局この二階で暮すでしょう。
新しく来た恭《きょう》子という娘は、きっちりしたいい子です。真面目な、丁寧な、いくらかヤスに似た俤のあるいい子です、心に厚みがあります。これは私が飢えていたような味ですからうれしいと思います、家も清潔になりましたし。だから暑くても辛棒出来るところも増しました。
暑いときは、ひとがよそへゆくから、きっとお客もへるでしょう。避暑の習慣なんかないからその点は平気です。私はつくづく、お茶がのみたいときのめるのに何をか云わんやと思うのです、何だか私の気持の標準はいつもそこにあるから。
おや、風が通るようになりましたね、
多賀子が病院からかえって来た(レントゲンの日で)。切腹居士どうしたかしら。
切腹居士と云えば井汲さ
前へ
次へ
全590ページ中307ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング