たか、一寸遠目には暑そうなところですね。そして、やはり目録室の正面に、高間惣七のねぼけたような花園の大きい油絵がかかって居りましたか?
やっと今、あらましの小説をよんだところです。発表年月が、はっきりしなくてどうも見つからないのもあります。
「顔」「伊太利亜の古陶」「心の河」「小村淡彩」「氷蔵の二階」「街」をよみ、「高台寺」「白い蚊帳」が見当りません。
「顔」その他、勿論今日から見ればいろいろ申すべきところありますが、作品としてつかえます。「街」はやめます。あの頃フィリッポフという白系露人の知人がいて、その生活をかいているのですが、こういうものになると、今日の読者が面白さを見出すとしても、作者はそれで満足しないものがあって、出すのはいやです。全集ならばともかく。ですからもしまだよめないのがなくても、「街」をのぞく五篇であと新しいもの一つなり加えれば一冊の本になりますし、又これで面白いと思います。題材のいろんな風なのも面白いし一寸したアイロニーもあってね。集めておいた方が確にようございます。「白い蚊帳」というのは昭二年の『改造』ですが、ここに二年の『改造』が今ないのです。出ているのかも
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