目でいいけれども、その真面目さがまだ活力を帯びていないし。美川きよが小島政二郎とのことを書いた小説をよんで眠たくなったのですが、どうも閉口ね。婦人作家という職業[#「職業」に傍点]の確立、一家をなす[#「一家をなす」に傍点]ことに、実に汲々たるところが最近のこのひとたちの共通性です。年れいのこともある、女としての男との生活のけたをはずれていることからもある、小説をかくためには一旦常識の世界を見すてているのだから、女がその見すてたところで身を立てるということは、経済上の必要ともかさなって、職業人としての食ってゆける面へだけ敏感になるのですね。ここがしめくくりとしてあらわれる今日の現象です。婦人の評論的な活動のにぶいことと、この一家をなす必要に迫られていることから、明日の婦人作家がどうぬけ出し育って来るかが大きい課題です。これは、文化の、もっともっと大きい課題とつづいて居りますからね。今月はこれを終り迄書いて、初めの部分と自然主義のところをもっとよくして、水野仙子、小寺菊などをもっとよんで、そしてまとめます。それと『新女苑』の Book レビュー。今月は「科学の常識のために」かきましたが、
前へ
次へ
全590ページ中283ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング