下さいと、貼りつければいいのです、そのままの上から。池袋から来て仲町で上野ゆきにのりかえるとき、むこうを見たら郵便局があったから、一寸かけて行ってききました。
 それから、もう一つ忘れたこと、それは、きょう手拭とシャボンとをお送りしたことです。その手拭は麻ですから夏は使い心地ようございます。麻の手拭は不思議にいくらギューギュー汗の顔を拭いても皮膚があれません。それにね、その手拭の両方の端に一寸した小さい花模様があります。その花の名は、よろこびの花、というのよ。暑いでしょう? ですからそんな花のついた手拭を是非つかって頂きたいと思って。もしか今つかっていらっしゃるのがあっても、それは暫くおあずけにして麻の方を使って下さいまし。どうぞ、ね。その簡単ないくらか滑稽な花模様から、きっとあなたはいろんな可笑しさや面白さをお感じになれるでしょう、その花はそんな恰好をしてついているのよ。心は一杯で手足が短いというような花なの。可笑しいわねえ。
『文芸』の最後のところの下拵えのために来ているのですけれど、所謂《いわゆる》輩出した婦人作家たちのものをよんでいるわけですが。どうも。大谷藤子という人は、真面
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