た。これでなみの調子になりました。
「暦」や「素足の娘」およみになったら又いろいろ感想がおありになって面白いでしょうと思われます。栄さんのように持味と話しのうまさで、自然かくひとの到達したところとその逆のものとの関係がはっきり感じられて面白いと思います、本気で云えば面白いどころか、こわいし、自分がそうだったらどうだろうと思わせられるものではありますが。「素足の娘」についてもいろいろの印象があります、およみになってからまた。
 私のこの頃、かくのは感想と評論ですが、この頃のは随筆風ではないの。自分でも本にでもすれば、こんどはきっとしゃんと評論として押し出した題をつけるでしょうと思います。随分勉強してかいているのですもの。そういう実質の仕事しているのですから、その限りでの自信もありますから。でも私の本はそうやすやすとは出ますまい。この間も下らぬデマがあると、雑誌の広告の中ですぐ名も何もふせて、やがてデマとわかって出すという調子ですから。そういう点について、あるスタビリティが商売人に感じられないと、紙のないところを安心して儲けられるものへとゆきますから。それは彼等の打算の心理です。編輯をする
前へ 次へ
全590ページ中203ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング