い迄に「読者論」をかきます、これはこの二三年間の読者と作家とのありようをかいて見るつもりです。文化批評として面白いと思います、こまかく落付いてかくつもりです。
 こういう工合で、徹夜はなしです。でもこの間うちは何となし工合わるくて、朝心地よくおきられず。そういうときは、よく仕事出来るときひる間三十分か一時間、上手に一寸眠ってよく休む、そういう眠りかたが却って出来ず、眠ったら猶気分わるそうで眠れず、しかもはきはきせずという工合でした。もうすっかり緑になりましたから大丈夫よ。これからは益※[#二の字点、1−2−22]パッチリです。
 読書は又肩をすくめて。ヨンジュウ八マイ(頁)。しかし私はあの「三月の第四日曜」の男の子のその後の運命を近頃現代の少年の運命としてひどく心をひかれて居ります。少年の犯罪が激増しているということは心を痛ましめます、彼等の訴えが耳に響いて来ます。その響はこのささやかなヨンジュウ八マイのなかにつよくつよく反響いたします、人間の心の代償は誰からも払われないということは。
 私の創作的アペタイトは、「第四日曜」の男の子の顔つきを髣髴《ほうふつ》といたします。本当にいろいろ
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