川を死なさせた波は彼を大衆作家にしたという歴史とのかかわり合いの姿、こういう対比は大変面白くてヴィヴィドです。そしてユニークです。しかし、彼が徐々に大衆作家になりつつあるときは、日本の文学に質的な一変転がもたらされて、歴史を、寛のみたように個人の利害、ひょんなめぐり合わせ、など以上のものとして見る歴史を歴史として動く姿でかこうとして、「磔茂左衛門」や「綾里村快挙録」が生れたこと。現在の歴史小説とは、今日の現実とどういういきさつにあるか、つまり「島崎藤村」というような伝記小説の現れるのは、日本の文芸思潮のいかなる低下と喪失によるものか云々というのです。
面白くてとりつかれたようにかきました。近頃の快作。だから、きっとさっきぱっちりしていたのでしょう。
今月は半分はフラフラだったけれども、それでも実にこまこまと百十枚もかきました。種目は十二種よ。細かいこと。
大分あとへのばして貰うやくそくにして五月は、前に半分までかいてある古典読本の現代文学を六七十枚かいて、『文芸』のをかき終って三回分ぐらい60[#「60」は縦中横]枚迄、まとまったのはもうそれで、小説にかかります。『都』へ十日ぐら
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