2−22]自然であるだけなのですもの。そして、ごちゃごちゃした男女のいきさつをだけ書く趣味のないのも私の自然で仕方がないわ。(自分のその面での芸術的価値のことは又別です)
さて又困ったことが出来ました。ハガキが来て、古田中さんという母の従妹に当るひとの病状がよくなくて早く会いたいと云って来ました。このひとは糖尿だったのを永年放っておいてもう五十何歳かで悪化していて、私はこの間うち迚も行けなかったから、この間西川から坐布団を見舞いに送らしたら、それが気に入って愈※[#二の字点、1−2−22]会いたくなったのですって。困ったこと、ではあしたでも一仕事すまして出かけなければなりますまい。このひとは、ああ覚えていらっしゃるでしょう? 私たちにあの奇麗な白藤の花をくれた夫人です。私たちごひいきのひとです。もうずっと会いたがっているのについ行けず。
女のひとは男よりこういう病気をこじらします。男は大切な仕事があり、そのために忍耐して加養します、女はうちにいて、自分の体に自分が使われて病もわるくするし、はたにも苦痛を与えることになってしまいます。その点は林町の母もそうでした。ちっとも長生しなかっ
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