たローソクのような心持でかえって暫くぼーとしていて、それからすこし寝ようとしたのですが、たか子が出かける時間だのお客だのに区切られて眠れず。ぼーとしたつづきのようないい心持です。でもこれでは仕事は出来ず。気持はひとつところへ還ってばかりいて。可笑しいでしょう? あんぽんね。でもきっとこういう工合に神経がゆるめられて、今夜はおそらくさぞぐっすり眠ることでしょう。
 ゆうべは、すこし眠ったら明るくてたまらない気がして目をさまして、勿論真暗なの、どうしても眼の中が明るく不安なので却って例の水色スタンドをつけたら、落付きました。こんなのごくたまです。然し頭がひどく疲れていると、真暗より仄明るい方が安らかというのは可笑しいものですね、神経にのこされている緊張と光線のバランスとが在る方がいいと見えます。
 今私は煩悶中です、というのはね、この部屋、スケッチで御覧のとおりで、入ると、サア仕事するか、それとも寝るか、どっちか、と膝づめに会っているような室内の配置のゆとりなさです。Bed をたたんでしまって、あのゆったりとした坐る机を出して東の窓の下においてきれいな座布団をおいて気分をかえようか、それと
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