した。丁度二時というところ。それではどうせ出るのだから私巣鴨へまわるから、寿江子原さんのところへまわるようにと云って出たわけでした。髪が苅りたてでしたね、弁護士は七日までにどうしても仕上げなければならぬ書きものがあるとかで、八日にはゆく由です。この手紙より早く月曜お話しいたしますが。
あれから電車で東京堂へ。もう十二月から出来たら出来たらと云っているタイムズの支那地名人名字典、まだ出版しませんで、と東京堂の番頭君恐縮していました。まさか紙がないというのでもないのだろうのに。改補がおくれているのでしょうね。本当におまち遠さま。それから新法学全集又改めてしらべて見ました。三十何冊か出ているのですが、そして、仰云るとおり仮装幀なのですが、日本評論社で分冊を出していないので、もし御注文の刑法、民法、法理学をあつめようとすれば、三十何冊かをとってその中から集めて綴りなおすということになる次第です。日本評論で分冊を出す気があるのかないのか。いずれ出すのでしょうがいかがしましょう。聖戦短歌集、改造社版と書物展望と二ところから出て居り、改造の方は大部分歌のグループに属しているような専門的教養のある人
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