獄中への手紙
一九三九年(昭和十四年)
宮本百合子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)臥《ね》ながら
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二万七千|哩《マイル》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#二の字点、1−2−22]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ちょ[#「ょ」に「ママ」の注記]/\
〓:欠字 底本で不明の文字
(例)久々の出〓
−−
一月一日 〔豊島区西巣鴨一ノ三二七七巣鴨拘置所の宮本顕治宛 四谷区西信濃町慶応義塾大学病院内い号の下より(封書)〕
一月一日 第一信。
あけましてお目出とう。今年もまたいい一年を暮しましょうね。
ずっと順調で熱もきのうきょうは朝五・九分位、夜六・八どまりの有様です。このようになおりかかって来ると傷口の大小が決定的に影響して、一寸足らずの傷であるありがた味がよくわかります。傷そのものの不便さはもう殆ど感じません。ただ腹帯をたっぷりかたくま
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