ころは理想的ですが余り望みない。昔からの条件で界隈の性質がきまってしまっている様子です。中途半端のきらいはあるが、雑司ヶ谷五丁目のぐるりには気をつけていたら或はあるかもしれませんね。七丁目となると東京パンのあたりでずっと遠いし。大体見当はついたから、これからそちらからのかえりにも気をつけ、おひささんにもさがさせます。おひさ君はやすとは全くちがった気質です。アラーつい見なんだと目の前にあるものも見ない、そういうところあり。いきなり家をさがしに出したとこ。そういう点やすはしっかりして居りましたね、自分の判断というものをもって行動した。感心でした。
○さっき徳さんより来信。十九日(日)のばして二十日の分は、用事のためとばすと云ってよこしました。冨山房の辞典のために荀子、老子というようなものを調べているらしい模様です。
○十四日には、あわただしく手紙をかかせ、十六日には御飯のお邪魔になって御免なさい。この間うちは外の暖くなるのを待つ心持で出かけていたので。十四日には前日で[#「で」に「ママ」の注記]くたびれでのそのそしたのですが。これからは又そちらへ九時前後につくよう出かけましょう。
虫
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