フ鍛練というか自省のモメントとして大いに考え考えやって居ります。道具と考えるほど大それていないのは、幸です。書きたいというのも術をかけて見たいのとはすこし違うのです。対象を通して勉強したい、その心持です。勉学は却って書きたい気をおこさせ、書きつつ又それをつづけるのは一層味ふかいのです。今のように、せっつかれないときに、はじめてそれが出来ます。今のところ勉学はやめられません[#「やめられません」に傍点]。その位面白い。この本は特に面白くて、かめばかむほど味が出る。この前にも一寸かきましたが、物理の問題にしろ、数学にしろ、生きた好奇心を刺戟され、精神のよろこびが察しられて来て、しきりにソーニャ・コ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]レフスカヤを思います。彼女はどんなに数学をとらえていたのだろうかと。私は一人、女のひとで数学の才分がすぐれていると云われた人を知っているが、そのひとは大変図式的な頭です。新しく動的関係で発見された方法を、形而上的なやりかたでやる。そういうのが多いのではないかと思い、ソーニャはどんなだったろうと知りとうございます。あの伝記には、そういう最も内奥的なモメントはとり
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