ノ、テーブルの手紙束をひっくるかえすのを見ると、結局絶えず待っているということになる。慢性なり。
 秋晴れのような明るさと澄んだ力のある手紙をいただいて大変大変うれしい。ありがとう。古い頃書いたものをそういう風に読んでいただいて、何と云っていいかしら。頬っぺたの両方へ、小さい灯がついたような感じです。それにつけても、『冬を越す蕾』、『乳房』、『昼夜随筆』そしてこの頃書いているものを読んでほしいと思う。あなたに読んでいただくことが出来ない、そういう事情が、私を自分の仕事に向っておろそかならざる心持にしているというのは何と面白い関係でしょう。体はこの頃よく気をつけているし、すこしゆとりをつけているので大分ましになりました。残暑頃と秋の初めはへばっていたが。長い小説は、第一が「雑沓」80[#「80」は縦中横]枚、「海流」97[#「97」は縦中横]枚、「道づれ」65[#「65」は縦中横]で、私のプランの第一の部分の三分の二ばかり来ました。この正月『文芸』にのこりの部分をすっかりのせてしまいたいと思ったが、三笠から出ている『発達史日本講座』の現代に今日の文学50[#「50」は縦中横]枚を十月一杯
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