ノあるこれほどの愛情が当然に必要とする具体性としてこのゲンマンの指を出します。ではこのこと、きっと。
十一月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(演劇「土」の舞台写真の絵はがき)〕
十一月十日。八日の雨の中を、うちのおひささん同道「土」長塚節を見ました。演出岡倉士郎。小説「土」にはない節自身を出しているが、高志の進歩的性格は漠然としている。おつぎ山本安英。勘次薄田。平造本庄。これは勘次が平造のキビの穂を苅って見つかったところ。
大体面白く見られました。満員。壽夫さんに逢いました。呉々よろしくとのことでした。
十一月十一日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十一月十一日の夜。 第三十六信
(きょうはじめて勉強部屋へ火鉢を入れました。今鉄びんの湯が煮えたっていい音を立てている、但しこの湯はのめず。咲枝がさびさせてしまったのを持って来たのだから。オ薯《いも》のシッポでも煮てアクを抜カネバナラヌ)
十一月二日のお手紙がけさつきました。この頃は先のうち、一週に一度ずつ日曜日か月曜ときめて待っていた心持はなくなって居るけれども、やはり朝第一に、ホーサンで眼を洗うより先
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